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悪評高いTOMSシューズを徹底検証。買わない方が人助け?



TOMS(トムズ)のビジネスモデルに批判的な声は数年前から多く、特に無償で何かをあげるという行為自体が、その国の発展を妨げるという反対意見が目立ちますが、アンチトムズの理由は他にも色々あるようです。


Image from TOMS website


靴をあげるのは助けにならない

「Give a man a fish and you feed him for a day; teach a man to fish and you feed him for a lifetime」(魚を与えても1日しかその人は食べていけないけど、釣りの仕方を教えれば一生食べていける)という教育論上で良く使われるこの格言がTOMSの問題点の一部としてたびたび登場します。
本当に貧困国を救う目的であれば、施し物は長期的に見て助けにならないという意見が多く見られます。実際に先進国からのドネーションによって、現地の方がビジネスや職を失ってしまうケースも多いのです。

 

現地の経済に悪影響

施し物が助けにならず、経済に悪影響を及ぼすのはなぜでしょうか。
貧困国にも、頑張って事業を始めて自国を豊かにしようと頑張っている人々が沢山います。靴屋さんを営む人にとって、無償で配られるTOMSの靴の存在は決して有難いものではありません。
例えば、低所得者が住むエリアにケーキ屋さんがあるとします。このエリアの人は貧乏でかわいそうだから、とビバリーヒルズのお店が不定期にこのエリアにやってきてこの店の前でケーキを配ったらどうなるでしょう?この店でお金を支払ってケーキを買う人は極端に減ることになり、いつかまた無料のケーキが配られるかもしれないという思いから、お金を支払う意思があった人も購入をためらってしまいます。
このように、お金持ちからの不定期の施し物によって、貧困国では商売を始めた人がうまくいかないケースがいくつもあり、TOMSが与える悪影響も例外ではありません。


人助けをしたいという優しさを利用したビジネスモデル

TOMSを購入して、純粋に人助けをしたと喜ぶ消費者も少なく無いはずです。どうせ購入するなら何か人助けになるようなことを、と人間の優しさを悪用したビジネスモデルだという指摘は少なくありません。
TOMSの靴は、おおよそ1足60ドルで販売されていますが、実際の生産コストは4ドルにも満たないそうで、1つ買ってもう一つドネーションしたとしても残りの52ドルはTOMS側の利益となります。
2014年の時点でイケメンオーナーと言われるMycoskie氏の個人資産は$300ミリオンを超えています。もしそれらの一部がドネーションされ有効活用されたら、どれ程のヘルプになるか、という声も。


Image from TOMS website


Image from TOMS website


そもそもTOMSの靴がアフリカに適していない

TOMSの靴はIncredibly inefficient(ひどく非実用的)だそうで、TOMSは自社のマーケティングでは『靴が無いというのはどれほど辛いことか』ということを伝えるビデオなどをリリースしていますが、彼らの薄い素材の靴を履いたところで、それらの状況が変化するようなことは全く無いそうです。ビデオでは鉤虫という寄生虫による感染の恐怖をアピールしていますが、TOMSの靴を履いても一切予防できないにも関わらず『靴があれば命が救える』といった彼らのマーケティング法も問題視されています。
ちなみに、Tomsの靴をドネーションする代わりに、ワクチンや舗装工事など、感染病などは防げる方法は沢山存在します。
 


靴を押し付けるのでは無く、ビジネスサポートを

貧困を救うためには、貧しい国のビジネスをサポートすることが、上記の釣りを教えるというロジックにも理にかなったセオリーです。
Nisolo Shoesというブランドは、PeruやMexico、NairobiやKenyaの工場及び職人を使い、デザインやビジネス面でのアイデアを提供、アメリカ市場をターゲットに展開しています。

TOMSに対し『チープな靴を高価な値段で販売し、無理矢理貧困国に配布して地元のビジネスや働き口を奪わないで欲しい』という切実な意見がネット上で拡散されると、これまで生産のほとんどを中国で行っていたTOMSは、この批判に対応するべく、『今後は、HaitiやEthiopiaをはじめとする、靴を配給している国にも生産工場を構え、多くの発展途上国で雇用を生み出します』と貧困救済に一役買っていると公表するようになりました。
ところが実際には、現在も流通量の多くは中国での生産が賄っており、Sweatshopのような粗悪な労働環境という説も。労働状況に関して『その国の基準にそった』賃金を支払っています、とWEBサイト上で示していますが、かつて大問題となったNikeも同様の文章を公表していました。本当に発展途上国に幅広く展開する工場があり、多くの雇用が生まれ、労働者がハッピーに働いているのであれば、その状況を数字と共にレポートするべきという意見がネットで見られます。


(Credit: Ibi Zoboi/facebook) from HUMAN OSPHERE

Haitiの地震後に工場を作って労働を生み出したという発表の後に作られた『This is Haiti』というポスターも物議を醸し出しました。
『Tomsにとって、Haitiの震災もマーケティングツール。Tomsにかかれば、Haitiもヒップスター風のモデルが集まるブランディングに最適なロケーションに』という皮肉の声も。


2014年に制作されたPoverty, Inc.というドキュメンタリー映画は、『世界の貧困に立ち向かう』名目で利益を上げるビジネスを紹介しており、この中にもTOMSのストーリーが登場します。




イケメンビジネスオーナーと、サンタモニカのおしゃれオフィス。LAらしいサクセスストーリーの裏側に、Controversialな問題点を多く抱えたファッションブランド『TOMS』。
最近は、多くの批判を打ち砕く為に、より多くの『貢献しています』というアピールを積極的に行っています。

ファッションだけではなく、ファッションに政治や国際問題を絡めるからには、その実態をよく理解した上で政策を進める義務があるという良い一例かもしれません。



References:
Do You Cause More Harm than Good by Giving TOMS Shoes to the Poor?
Some Bad News about TOMS Shoes
Do Toms Shoes Really Help People?
Adam Ruins Everything - Why "Buy One, Give One" Companies Don't Help Anyone
This is Haiti, according to TOMS​
TOMS blog



関連記事:
▶︎2016年春夏のマストバイシューズは○○なエスパドーリュ!!
▶︎流行のLAファッションはこのセレクトショップをチェック!
▶︎オシャレな人たちが集まる素敵な場所…アボットキニーが今アツイ!!
 

本サイト上に掲載される記事、インタビューまたはその他の情報に含まれる見解や意見のすべては、ライター個人の意見であり、必ずしもLOCOTの意見を反映したものではありません。



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